オンライン授業は著作物を自由に使える?画面共有や公衆送信、補償金について解説
●「オンライン授業で著作物を公衆送信したい!」
●「リモート授業だったら著作物を画面共有してもいいの?」
●「SARTRASってなに?」
近年、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴い、オンライン授業やリモート授業を導入する教育機関が増加しました。
オンライン授業を行う大学などの教員は、インターネットを通して学生に著作物を公衆送信する機会が多いです。
学校教育における公衆送信とは、文献や資料、問題集などの教材を、学生にインターネット公開することです。
学校教員の中には、「オンライン授業で著作物を無断使用すると、著作権侵害になるのではないか」といった不安を抱える方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、オンライン授業で著作物を使用する際は、著作権者に利用許可を申請する必要はありません。
一方、著作物におけるインターネット公開や動画サイトへの投稿などの公衆送信には、著作権法によってルールが定められています。
ルールを破ると、著作権侵害と判断される可能性があるので注意が必要です。
今回は、オンライン授業の著作物の扱い方について知りたい方に向け、下記の内容についてご紹介します。
● オンライン授業やリモート授業における著作物の公衆送信
● オンライン授業で著作物を画面共有してもいいの?
● SARTRASが定めるオンライン授業における著作物の公衆送信
● 著作権と教育の権利は両立されなければならない
本コラムを読めば、オンライン授業における著作物の公衆送信について知ることができて、著作権トラブルを防止できるでしょう。
また後半では、著作物の公衆送信を理解する上で欠かせない「SARTRAS」についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
▼ INDEX
オンライン授業やリモート授業における著作物の公衆送信
オンライン授業や、リモート授業における著作物の公衆送信についてご紹介します。
- そもそもオンライン授業やリモート授業とは?
- 著作権法における公衆送信とは?
- 学校教育が目的であれば著作物の利用許可を得なくても良い
- オンライン授業やリモート授業における公衆送信の注意点
基本的に、オンライン授業やリモート授業での使用が目的であれば、著作権者に利用許諾を得る必要はありません。 一方、著作物を公衆送信する際は、著作権法に沿った扱い方で利用しなければなりません。 ここからは、上記4つの点について、具体的に解説します。
そもそもオンライン授業やリモート授業とは?
オンライン授業とは、インターネット回線につないだ状態で、学生に授業を行うことです。 インターネットへ接続している状態を前提とし、Web会議ツールなどを活用したリアルタイムの授業などがあげられます。 一方、リモート授業とは学校の教室などに集まらず、遠隔で授業を行うことです。 インターネット回線に接続した状態が前提のオンライン授業に対し、リモート授業はインターネット回線への接続を必要としない場合があります。 例えば、リモート授業は学校教員が授業内容を録画し、インターネットへアップロードするケースもあります。 学生は動画サイトなどにアップロードされた授業をダウンロードし、学習指導を受けるでしょう。 この場合、必ずしも「インターネット回線に接続した状態」で授業を受けるとは限りません。 オンライン授業とリモート授業は混同されがちですが、厳密には意味が異なるのです。
著作権法における公衆送信とは?
上記でも述べましたが、公衆送信とはインターネットや動画サイトなどを通して、著作物を公開することです。 著作権法7の2項では、著作物の公衆送信について下記のように定義しています。
公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
引用:著作権法 | e-Gov法令検索
オンライン授業やリモート授業では、著作物を公衆送信する機会が多いです。 学校教育における著作物の公衆送信として、以下の例があげられます。
- Zoomなどのオンライン会議ツールを活用したリアルタイム授業
- オンデマンド方式の授業における学生への資料公開
- 録画した授業の動画サイトへ投稿する
- オンラインで著作物を引用した問題を学生に解いて貰う
- 著作物を引用して作成したレポートの提出
- 文科系の部活動や大学のゼミ、研究室における学生の発表
学校教育が目的であれば著作物の利用許可を得なくても良い
一般的に、学校教育を目的とするのであれば、著作物の利用許諾を得ずに使用することが可能です。 著作権法第35条1項では、学校教育における著作物の使用に関して下記のように明記しています。
学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製し、若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下この条において同じ。)を行い、又は公表された著作物であつて公衆送信されるものを受信装置を用いて公に伝達することができる。
引用:著作権法 | e-Gov法令検索
著作権法では、生徒や学生への指導を目的とするのであれば、学校教員は著作物の無断使用が認められているのです。 条文にもあるように、オンライン授業やリモート授業などで、著作物を公衆送信することも許されています。 さらに、文化庁では教育機関における複製等について下記のように述べています。
教育を担任する者やその授業を受ける者(学習者)は,授業の過程で使用するために著作物を複製することができる。また,「主会場」での授業が「副会場」に同時中継されている場合に,主会場で用いられている教材を,副会場で授業を受ける者に対し公衆送信することができる。複製が認められる範囲であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。
引用:著作物が自由に使える場合 | 文化庁
小学校から大学までの教育機関などは、著作物の複製や公衆送信だけでなく、翻訳や編曲、変形、翻案も認められています。 つまり、学校教員が生徒や学生への指導を目的とする場合、著作物のやむを得ない改変も認められているのです。
オンライン授業やリモート授業における公衆送信の注意点
上記では、教育機関においてオンライン授業やリモート授業であれば、利用許諾を得ずに著作物を公衆送信できることを述べました。 ただ、著作物の公衆送信は、著作権法によってルールが定められています。 具体的なルールとして、主に以下の点があげられます。
- 「必要と認められる限度」で著作物を公衆送信する
- インターネットや動画サイトで著作物を公開する際は、閲覧制限をかける
- 「やむを得ない改変」と認められる限度で、著作物を使用する
- 著作物を公衆送信する際は、補償金を支払う必要がある
ここからは、4つのルールについて詳しく解説します。
「必要と認められる限度」で著作物を公衆送信する
著作物を公衆送信する際は、必要と認められる限度で公開しなければなりません。 例えば、文章作品や資料の大部分を複製し、リモート授業で生徒へ配布するとします。 著作物の中には、購入を前提として作成された作品もあるでしょう。 内容の大部分を複製し生徒へ配布すると、購入することなく著作物を利用することが可能です。 この場合、著作権者の利益を不当に侵害すると判断され、著作権トラブルに発展する可能性があります。
インターネットや動画サイトで著作物を公開する際は、閲覧制限をかける
インターネット公開や動画サイトへの投稿は、本来授業を受ける必要のある学生のみが閲覧するものです。 著作物をインターネットで一般公開すると、誰でも閲覧できる状態になります。 この場合、大部分の複製物配布と同様に、著作権者の利益を不当に害する場合に該当するでしょう。 そのため、著作物を公衆送信する際は、授業を受ける者のみが閲覧するように制限をかける必要があるのです。
「やむを得ない改変」と認められる限度で、著作物を使用する
著作物を必要以上に改変すると、著作権侵害に該当する可能性があります。 著作権法では、著作者の声望や人格の権利を守るため、「同一性保持権」を保護しています。 文章作品などの改変の仕方によっては、著作者の本来の意図とは違う伝わり方になるかもしれません。 オンライン授業やリモート授業であれば、著作物を改変できますが、あくまでも「やむを得ない」と認められる限度までです。 そのため、著作物を公衆送信する際は、必要以上に改変しないように注意しましょう。
著作物を公衆送信する際は、補償金を支払う必要がある
学校教育が目的であれば、著作物の使用許諾を得る必要はありませんが、公衆送信する際に補償金を支払わなければならないケースがあります。 著作権法第35条2項には、学校などの教育機関における著作物の公衆送信について、下記のように明記しています。
前項の規定により公衆送信を行う場合には、同項の教育機関を設置する者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
引用:著作権法 | e-Gov法令検索
オンライン授業やリモート授業における公衆送信の補償金については、「SARTRAS」という組織が管理しています。 SARTRASに関しては、下記の「SARTRASが定めるオンライン授業における著作物の公衆送信」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 学校の授業で著作物を公衆送信する場合、補償金を支払わなければ、著作権トラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。
オンライン授業で著作物を画面共有してもいいの?
オンライン授業における著作物の画面共有について、ご紹介します。
- 画面共有とは?
- 著作物って画面共有してもいいの?
- 著作物を画面共有する際の注意点
オンライン授業では、学校教員が学習指導する際に、文献や資料を画面共有する場合があります。 学習指導する教員だけでなく、生徒や学生が発表する際にも画面共有するシーンもあるでしょう。 ここからは、オンライン授業における著作権の画面共有について解説します。
画面共有とは?
画面共有とは、授業の参加者全員が、自分のPCもしくはタブレット端末などの画面を閲覧できるようにミーティングで表示させることです。 一般的に、大学などの教育機関がオンライン授業を実施する際は、ZoomやMicrosoftのTeams、Google Meetなどのツールを活用します。 オンライン授業を実施できるツールには、「画面共有」機能が搭載されていることが多いです。 画面共有機能を活用すれば、自分のPC画面に表示させている資料を共有できます。 学生は、教員が共有した画面を見ながら学習することが可能なのです。
著作物って画面共有してもいいの?
オンライン授業を実施する教員の中には、著作物の画面共有が著作権侵害に該当するのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 結論から言うと、オンライン授業における著作物の画面共有は、著作権者の利用許可を得る必要はありません。 文献や資料、写真など表示し授業の参加者へ画面共有する行為は、「著作物の複製物」を「公衆送信」することと同じです。 学校教育における複製や公衆送信は、必要と認められる限度であれば、著作権者に利用許可を申請する必要がありません。 そのため、オンライン授業で著作権者に使用許諾を得ずに、必要最低限度で画面共有をするようなことが許されているのです。 ただ、授業に必要と認められない限度で資料を映す行為は、著作権侵害に該当する可能性があるので注意しましょう。
著作物を画面共有する際の注意点
オンライン授業で著作物を利用する際は、著作権者に使用許諾を得る必要はありませんが、いくつか注意点があります。 オンライン授業で、著作権侵害に該当する可能性のある行為は、以下の通りです。
- 必要以上に文献や資料を画面共有した授業を録画し学生へ配布する
- オンライン授業の履修が必要のない学生へ、画面共有する
- 画面共有している画面を学生が撮影し、SNSなどでアップロードする
著作物を画面共有する場合、必要と認められる限度以上に画面共有すると、著作権トラブルに発展する可能性があります。
また、著作物を複製して使用する学習指導を受けられるのは、授業の履修をする学生のみです。
科目を履修していない学生がオンライン授業に参加して学習指導を受けると、著作権侵害に該当する可能性があるのです。
さらに、著作物を画面共有した際に、学生が自身のPC画面を撮影すると仮定します。
万が一、学生が撮影した写真を悪気なくSNSへアップロードした場合、授業と関係のない者にも閲覧できる状態となるでしょう。
著作物を無断で公衆送信できるのは、学校教育を目的とする場合です。
著作物の写り方によっては、著作者の意図とは異なる形で伝わる可能性があります。
この場合、著作者の人格権を侵害すると判断されるリスクもあるでしょう。
そのため、オンライン授業で学校教員が著作物を画面共有する際は、学生へ注意喚起を行う必要があるのです。
SARTRASが定めるオンライン授業における著作物の公衆送信
SARTRASが定めるオンライン授業における著作物の公衆送信について、ご紹介します。
- SARTRASとは?
- オンライン授業における著作物使用の利用料金
著作物をオンライン授業やリモート授業で公衆送信する際は、SARTRASが設定する補償金を支払う必要があります。 ここからは、上記2つの点について解説します。
SARTRASとは?授業目的公衆送信補償金制度
「授業目的公衆送信補償金制度」は、2018年の法改正により国が創設した制度です。
具体的に授業目的公衆送信補償金制度とは、オンライン授業やリモート授業で著作物を公開する際に、教育機関の設置者が補償金を支払う制度です。
参考:授業目的公衆送信補償金制度とは
学校教員が文献や資料を公衆送信する場合、著作物の使用料金を支払う必要があります。
SARTRASは、授業目的公衆送信補償金制度を管理する団体です。
SARTRASとは、「Society for the Administration of Remuneration for Public Transmission for School Lessons」の略称で、サートラスと呼ばれています。
著作権者に補償金を公正に分配し、オンライン授業やリモート授業などの教育現場における著作物利用を円滑化します。
また、著作権や著作隣接権を保護する事業を行い、文化の発展や普及に貢献することを目的としています。
SARTRASが展開する事業は、以下の通りです。
1. 補償金の額の決定、徴収及び分配その他補償金を受ける権利の行使など
2. 著作権や著作隣接権の管理業務
3. 著作権制度の普及や調査研究
4. 著作物の創作の振興と普及
5. 著作権や著作隣接権の保護に関する国際協力
6. 教育における著作物等の利用に関する調査研究
7. 上記の目的を達成するために必要な事業
参考:SARTRASの事業 | 一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会
公衆送信における補償金額の決定や分配の他にも、著作権制度の認知度向上や国際協力などにも注力しています。
オンライン授業における著作物使用の利用料金
オンライン授業やリモート授業で著作物を使用する際は、管理団体に補償金を支払う必要があります。 著作権法第104条11第1項には、補償金額について下記のように明記しています。
第百四条の十一第一項の規定により指定管理団体が授業目的公衆送信補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、授業目的公衆送信補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
引用:著作権法 | e-Gov法令検索
文化庁は、条文に定める「指定管理団体」に一般社団法人のSARTRASを指定しているのです。
参考:授業目的公衆送信補償金に係る指定管理団体の指定について | 文化庁
SARTRASが定める具体的な補償金額は、以下の通りです。
学校 | 補償金額(1人当たり) |
---|---|
幼稚園 | 60円 |
小学校 | 120円 |
中学校 | 180円 |
高校 | 420円 |
大学 | 720円 |
参考:授業目的公衆送信補償金制度の概要
授業目的公衆送信補償金制度が適用されるのは、オンライン授業やリモート授業で著作物を公開する場合です。 営利目的の学習塾や予備校などは、著作物の使用許諾を得る必要があります。 学校教育が目的であっても、インターネットや動画サイトでの「一般公開」は、著作権トラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。 また、補償金を支払わずに公衆送信した場合は、著作権侵害に該当する可能性もあるので注意してください。
著作権と学校教育の権利は両立しなければならない
著作権の保護と学校教育の権利は、両立する必要があります。 著作者は、自分が作成した著作物で利益を得たり、自分の思想を世の中に公表する権利があります。 すべての著作物が自由に使われると、自分が苦労して制作した作品が盗作され、権利が侵害される可能性があるでしょう。 著作物の無断転載や、盗作によって著作権者の利益が侵害される事態は避けなければなりません。 一方、著作物の使用に制限がかかりすぎると、日本文化や教育の発展を妨げる可能性があります。著作権法第1条には、著作権保護の目的に関して下記のように明記しています。
第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
引用:著作権法 | e-Gov法令検索
条文に明記されているように、著作権者の権利を保護しつつ、文化の発展に寄与することを目指しています。 学校教育における著作物使用に制限がかかっていると、生徒や学生の成長を妨げる可能性があるでしょう。 例えば、英語の授業では、海外の楽曲を参考に学習指導するケースもあります。 学校の生徒にとって、英語で歌われる楽曲はネイティブな発音やイントネーションを学べる教材にもなり得ます。 楽曲を使用する度に、利用許可を申請する行為は、時間と手間がかかるでしょう。 場合によっては、使用許諾を得られない可能性もあります。 英語の授業で海外の作品を使用すれば、効果的な学習指導が可能になると考える教員も多いです。 著作権の制限が厳格すぎると、生徒や学生が教育を受ける権利が侵害されるかもしれません。 そのため、国は文化の発展に寄与しつつ、著作権者の権利を保護できるように著作権法を定めているのです。
著作権の保護と教育の権利の両立における授業目的公衆送信補償金制度の重要性
学校教員の中には、「教室内の著作物使用は無償なのに、オンライン授業はなぜ補償金が必要なのか」といった疑問を抱く方もいるでしょう。 ここでは、授業目的公衆送信補償金制度の重要性について解説します。 近年の日本社会では、ICTを活用した教育が積極的に導入されています。 著作物を電子データ化したデジタル教材なども普及しており、時代の変化に合わせて学校教育が進展しつつあるでしょう。 学校教育では、インターネット公開やタブレットなどの端末での資料共有により、学習指導が効率化されています。 効果的な学習を実現できるため、日本政府も教育機関にデジタル教材などの導入を推進しているのです。 一方、ICTを活用した授業や、オンライン、リモート授業は、文献や資料をインターネット上で公開したり、送受信したりする機会が多いです。 インターネットやSNSが発達した現代では、作品の情報が簡単に拡散されてしまいます。 つまり、教室内で行う授業よりも著作物が流出するリスクが高いと言えるでしょう。 そのため、国は著作権の保護を図りながら、教育の権利も保護できるように授業目的公衆送信補償金制度を創設したのです。 上記でも述べましたが、学校教員がオンライン授業やリモート授業で著作物を公衆送信する際は、補償金を支払う必要があります。 著作権と教育の権利を両立するためにも、著作物の公衆送信には補償金による保護が必要不可欠なのです。
オンライン授業における著作物の公衆送信まとめ
今回は、オンライン授業やリモート授業における著作物の公衆送信や画面共有、SARTRASについてご紹介しました。 学校に属する教員が授業を目的とするのであれば、著作物の公衆送信に利用許可を得る必要はありません。 一方、使用許諾なしに利用できますが、補償金を支払う必要があります。 授業目的公衆送信補償金制度の管理団体であるSARTRASに、補償金を支払うことで、著作権の保護と教育の権利の両立につながるのです。 ただ、補償金を支払ったからと言って、著作物の複製や改変に制限がなくなるわけではありません。 学校教員は、必要と認められる限度で、著作物を公衆送信する必要があるのです。 オンライン授業やリモート授業で公衆送信する際の注意点まとめは、以下の通りです。
注意点 | 避けるべき行為の例 |
---|---|
「必要と認められる限度」で著作物を公衆送信する | インターネットや動画サイトで、著作物の内容を「一般公開」する |
「やむを得ない改変」と認められる限度で、著作物を使用する | 必要以上に著作物を改変し、生徒や学生に学習指導を行う |
著作物を公衆送信する際は、補償金を支払う必要がある | 補償金を支払わずに著作物の公衆送信を行う |
ぜひ本コラムを参考に、オンライン授業における著作物の公衆送信時に役立ててください。