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【外国の著作権】海外における著作権登録制度と保護期間や(C)マークの必要性

● 「著作権保護期間って国によって違うの?」
● 「(C)マークは必要なの?」
● 「アメリカのフェアユースってなに?」

著作権保護期間や著作物の扱い方の規定などは国によって異なるため、翻訳文学などの作品を制作する際は、各国の著作権法について確認しておく必要があります。一方で、具体的な保護期間や作品を使用する際のルールがわからない方もいるでしょう。今回は、そのような方に向け、各国の著作権登録制度や保護期間について徹底解説します。

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諸外国での著作権登録の対象範囲

日本の著作権登録制度や、各国で生まれた著作物登録の対象範囲についてご紹介します。

● 著作権登録制度とは?
● 著作権登録制度で守られる項目
● 諸外国における著作権登録の対象範囲まとめ

人の思想や感情を表現した作品は著作物と呼ばれ、制作された時点から自然に発生します。一方で、著作権登録制度が設けられており、登録申請を行って審査に通過すれば、法律事実の証明や取引の安全性を確保することが可能です。

ここからは、上記3つの点について解説します。

著作権登録制度とは?

著作権登録制度とは、著作者が著作権を取得したり出版社が翻訳文学などの作品の出版権を設定できたりする制度のことです。上記でも述べましたが、作品の著作権には無法式主義が採用されています。

無方式主義とは、登録手続きを必要としない考え方のことです。そのため、特許や商標権などの権利の取得に手続きが必要なものとは違い、著作権は手続きをせずとも権利を主張することが可能です。

しかし、著作権を有する事実が無ければ、不都合が生じるケースもあります。たとえば、無名・変名の作品は著作者の実名で公表されておらず、ペンネームやハンドルネームなどが用いられています。そのため、場合によってはたとえ著作物の制作者であっても、その作品の著作者であるという事実を保証するものがないため、裁判で争った際に不利になる可能性があるのです。

著作権トラブルの際に著作者や出版者などの権利者の利益を保護するためにも、著作権登録制度が設けられているのです。

著作権登録制度で守られる項目

著作権登録で申請できる項目として、以下の5つがあげられます。

● 著作者の実名
著作物のなかには、無名や変名の作品があります。匿名やペンネームで公表されるものであり、作品に著作者の氏名が表示されることはありません。無名・変名の著作物に実名登録を行っていれば、著作者であるという争いにおいて根拠のある事実として提示できます。また、無名・変名の作品で著作者を特定できない場合、公表後70年間が保護期間となります。しかし、著作者自身が実名を登録することで、著作権保護期間が作者の死後70年間に延長されるといったメリットもあるのです。

● 作品の第一発行年月日(公表年月日)
著作権登録で申請できる項目の1つとして、作品の第一発行年月日(公表年月日)があげられます。団体名義や映画作品などは、制作者が複数いるため著作者を特定できないこともあるため、著作権保護期間は公表後70年間です。公表年月日を登録できるということは、事実上登録を申請した本人もしくは団体が権利者であると証明できます。また、著作権保護期間の起算点に関する争いにおいても、公表年月日を裁判中に提示することが可能です。

● プログラムの著作物の創作年月日
プログラムの著作物とは、コンピューターを作動させることで1つの結果を生み出せる作品のことを指します。プログラムの著作物として認められるには、プログラマーの個性によって表現されている必要があり、プログラム言語やシステムの規約などは著作権の保護対象とはなりません。一般的に、プログラムの著作物は公表されることが少なく、社内での利用に限定されるケースが多いです。公表年月日を特定することが難しいなどの不都合が生じるため、代わりに創作年月日を登録申請が可能なのです。

● 著作権の移転
著作権や著作隣接権などは、権利を譲渡することが可能です。著作権譲渡を受けた者を証明するためにも、著作権の移転として登録できるのです。著作物に関する権利を争う際、譲受人として証明することで、権利者は第三者に対抗できます。著作権の移転登録を行うには、著作権を有する者と譲渡される者が共同で申請する必要があります。そのため、一方が不在の場合は、原則登録の申請手続きを行えません。しかし、著作権者から承諾書を預かっている場合や判決文によって認められている場合は、著作権の譲受人は例外的に単独で申請できます。

● 出版権
出版権とは、著作権者が出版社に対して与える、著作物の複製や販売、頒布を独占的に行える権利のことです。映画などの作品と同様に、翻訳文学などの作品を発表して販売するためには、出版社の力が必要不可欠です。そのため、著作物には作品の制作者における著作権だけでなく、出版社が有する出版権も発生します。出版権を登録しておけば、権利を持たない他の出版社が出版していた際、「出版する権利は自社が有する」と主張することが可能です。

諸外国における著作権登録の対象範囲まとめ

著作権登録制度は、日本だけではなく諸外国にも設けられています。著作権登録制度を実施している諸外国として、以下の例があげられます。

● アメリカ
● カナダ
● 中国
● 韓国
● ブラジル
● インドネシア
● タイ
● ベトナム

基本的に、海外の作品に対しても無方式主義が採用されており、著作権は制作された時点から自然に発生しています。

また、日本と同じように法律上の事実確認を円滑化し、取引の安全性を確保するためにも、著作権登録制度が設けられているのです。登録を申請できる項目は国によって異なり、日本にはない項目もあります。たとえば、国内の著作権登録制度にはない申請項目として、以下の例があげられます。

● 著作権の信託:カナダ、中国
● 著作権を目的とした質権設定:カナダ、中国、韓国
● 創作者などの登録:インドネシア 参考:「諸外国における著作権登録制度調査」 報告書

海外著作物は、作品が公表された国の著作権法に従う必要があります。基本的に、日本の著作権法に沿って、利用許可申請を行ったり引用したりすれば、著作権侵害に該当するケースは少ないです。

ただ、アメリカのフェアユースのように、日本にはない考え方もあるので、海外作品を利用する際は注意する必要があります。フェアユースに関しては、後半で詳しく解説します。

(C)マークは全世界共通?著作権表示の必要性

(C)マークや世界の著作権に関する条約についてご紹介します。

● (C)マーク
● (C)マークができた背景
● 万国著作権条約とは?
● ベルヌ条約とは?
● (C)マークの必要性

(C)マークは、国際的に利用されている著作権マークです。ここからは、上記5つの点について詳しく解説します。

(C)マークとは?

(C)マークとは、著作権マークもしくはコピーライトマークと呼ばれ、音声や録音作品以外に用いられる記号のことです。全世界共通で利用されており、(C)マークがついている作品は、著作権法によって保護されていることを示します。現在、無方式主義によって著作権は自然に発生するため、(C)マークを表示する義務はありません。

(C)マークができた背景

無方式主義に対して、著作権の登録や納入、著作権表示などの方式が必要な考え方を、方式主義と言います。著作権表示についてのルールは、1802年にアメリカの著作権法によって初めて規定されています。(C)マークによる著作権表示は、1909年の著作権法改訂によって、アメリカが初めて導入したものです。

万国著作権条約とは?

万国著作権条約とは、著作権保護に関する主要な多国間条約の1つです。1955年に、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が初めて発効していました。万国著作権条約は方式主義を中心とし、著作権保護されるための必要条件として、著作物の登録や(C)マークの表示といった内容が示されています。

そのため、万国著作権条約にしか加入していない国の著作物は、原則方式主義によって著作権が保護されています。

ベルヌ条約とは?

ベルヌ条約とは、著作者が有する作品の著作権に関して明記している国際的な基本条約です。

万国著作権条約が方式主義によって内容が記されているのに対し、ベルヌ条約は無方式主義が採用されています。そのため、ベルヌ条約に加盟している国の著作物は、著作権の登録や(C)マークによる著作権表示がされていなくとも、著作権が自然に発生するのです。条約のなかには、内国民待遇についても明記されています。内国民待遇とは、海外の著作物は海外であっても国内法に沿って利用する考え方のことです。

そのため、海外作品を日本で利用する場合は、日本の著作権法が適用されるのが原則です。

(C)マークの必要性

日本はベルヌ条約に加入しているため、国内で制作した著作物に(C)マークを表示させる必要はありません。しかし、(C)マークは世界中で使用されてきたことから、作品に著作権があることを海外の人々に示す場合に有効です。

著作権表示をすることによって、インターネット上での無断公開や転載などを防止することが可能です。必ずしも(C)マークで表示する必要はなく、他人が見た際に「この作品は著作権保護の対象となっている」とわかる内容であれば、表示の仕方にこだわる必要はないでしょう。たとえば、「Copyright」といった文字を作品に記載することで、著作物が保護されていることをアピールできます。

著作権の保護期間は国によって異なる?

日本や各国の著作権保護期間について解説します。

● 日本の著作権保護期間
● 戦時加算とは?
● 著作権保護期間は国によって異なる?

著作権保護期間は、戦時加算や各国の著作権法によって異なります。

ここからは、上記3つの点について具体的に解説します。

日本の著作権保護期間

日本の著作権保護期間は、原則著作者の死後70年間です。起算点は、著作者が死亡した日時の翌年から計算されます。ただ、著作権の保護期間には例外のケースがあり、作品の公表後70年間や創作時点から70年間などがあげられます。例外のケースに該当する作品は、以下の通りです。

● 無名・変名の作品:公表後70年間(著作者が特定できる場合、その著作者の死後70年間が保護期間)
● 団体名義の作品:公表後70年間(創作後70年間公表されなかった場合、その70年間が保護期間)
● 映画作品:(創作後70年間公表されなかった場合、その70年間が保護期間)
● 継続的刊行物:公表後70年間(各回、個別で保護期間存続する)
● 逐次的刊行物:最終部が公表されてから70年間

無名・変名作品団体名義の作品、映画などの著作物は著作者の特定が難しいです。そのため、公表時起算主義により公表後70年間のみ著作権が存続します。ただ、無名・変名の作品の著作者が明確に認知されている場合、著作者の死亡を確認できることから死後70年間が保護期間です。また、映画作品や団体名義の作品が70年間公表されなければ、創作後70年間が著作権保護期間となるので注意しましょう。

戦時加算とは?

戦時加算とは、戦争が発生した期間を著作権保護期間に加算することです。戦争前や戦争中に著作物が公表された場合、著作者は作品で得られる経済的・人格的利益が戦争の期間だけ損失する可能性があります。そのため、著作物に戦時加算をすることで、著作者の経済的利益を回復するのです。第二次世界大戦の太平洋戦争では、日本が海外作品の著作権を保護しなかったとして、戦時加算が適用されています。

日本は、サンフランシスコ平和条約の連合国15か国とその国民が作成した著作物に対し、著作権保護期間を約10年間延長する必要があります。

著作権保護期間は国によって異なる?

著作権の保護期間は、国によって異なります。著作者の死後70年間を設定している国が多く、たとえばアメリカや欧州連合加盟国などがあげられます。一方で、メキシコで公表された著作物の保護期間は著作者の死後「100年」です。また、イランの著作物は、著作者の死後「30年間」を保護期間としています。このように、海外作品の著作権が存続する期間は国によってさまざまなのです。

アメリカにおけるフェアユースとは?

アメリカのフェアユースについてご紹介します。

● フェアユースとは?
● フェアユースを満たす条件①目的
● フェアユースを満たす条件②性質
● フェアユースを満たす条件③使用量と実質性
● フェアユースを満たす条件④利用による影響

国内外問わず、学校での授業における学習指導やプライベートでの利用など、著作物の利用許諾を得ることなく使用できる場合があります。アメリカは、フェアユースの制度によって著作物を自由に使える場合を示しているのです。

ここからは上記5つの点について詳しく解説します。

フェアユースとは?

そもそもフェアユースとは、アメリカの著作権法によって定められているもので、著作物の複製利用などを許諾なしに行える例外について示されています。フェアユースは、主に著作権侵害に関する裁判で用いられる規定です。基本的に、日本の著作権法に沿って作品を利用すれば、アメリカなどの海外の著作権法に抵触する可能性は低いです。ただ、日本にはない考え方もあるため、見解の相違が生まれないためにも、内容について把握しておくべきでしょう。

フェアユースを満たす条件①目的

著作物の使用目的が教育機関における学習指導であったり、私的利用であったりすれば、フェアユースが認められる可能性が高まります。ただ、複製やインターネット公開を行うことで、経済的利益を得るといった営利目的であれば、著作権侵害に該当します。

フェアユースを満たす条件②性質

作品の内容が事実に基づくほど、フェアユースが認められやすくなります。たとえば、フィクションよりもノンフィクションの著作物であれば、著作権侵害に該当しない可能性が高まるのです。

フェアユースを満たす条件③使用量と実質性

著作物の大部分のコピーや作品の核心を持つ部分の複製などは、フェアユースが認められない可能性があります。国内でも引用する際は「必要と認められる限度」と定められているように、使用量や実質性によっては著作権侵害に該当するのです。

フェアユースを満たす条件④利用による影響

対象の著作物が利用されることで、オリジナルの作品の代替品として世間に公表されてしまう場合、著作者の利益が不当に害されてしまいます。言い換えると、作品の無断使用によって与えられる影響が少なければ、フェアユースの主張が認められやすくなるのです。

まとめ

今回は、諸外国の著作権登録制度や著作権保護期間、(C)マーク、フェアユースについて解説しました。著作権登録制度の申請項目や著作権の存続期間は、国によって異なります。また、(C)マークを利用する必要はないですが、著作物の権利が保護されていることを表示すれば、著作権トラブルの防止といった効果が期待できます。翻訳文学の作成など海外作品を利用する際は、フェアユースなどの各国の著作権に関する規定を把握しておきましょう。

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